挨拶

経済成長や株価など、数字だけを見て短絡的な判断をする風潮が蔓延しています。株式市場は金融緩和によって活性化しますが、資産効果によって景気がよくなったと感じる程度。バブルとバブル崩壊を繰り返すだけで、財政赤字を増やし、新たなマネーゲームを生み、一部の人が儲かり格差は広がる一方です。

上場企業の多くは、短期的な数字を追いかけざるをえないために多方面に配慮した長期的な視野による経営が困難です。従業員も、仕事よりも組織に息苦しさを感じたり形式的なコンプライアンスに辟易しているのが現状です。

今こそ、企業とは何か、幸せとは何か、どういう社会にしたいのかを問い直すときです。

仕事を通じて生きがいをつくり、充実感を得る。そんな社会の実現のために企業が必要です。そのような企業の目的とは、創造性や柔軟性の高い働き方によって優れた製品をつくり、優れたサービスを提供し、社会に貢献することです。

企業は事業を通じて社会に貢献し、手にした利益を事業に充てる。繰り返したいのはこのサイクルです。 「利益を手にすることができたのは社会のおかげ」 という感謝、謙虚、共生の気持ちがあれば、そのサイクルは実現されます。そして、経営者と株主ばかりが恩恵を蒙るのではなく、仕入先、お客様、地域社会、地球に配慮した経営ができるようになります。

私は、技術が社会を発展させると信じて金属・セラミックスの鏡面研磨をしております。理想は遥か遠くにありますが、今できることは真摯に小さな実業をコツコツと積み重ねることです。この基本的な姿勢を忘れないようにします。そして、高い「技術」による「品質」を実現し、「信用」を築いていける企業でありたいと思います。焦ることなく長い年月をかけて「信用」を築くとともに、長きにわたり企業の目的が社会に認められるように、一途に、ひたむきに走り続けたいと思います。

2012年  松 本 剛